2025.12.29

設計スタッフを募集します。
十年以上前に独立して以来、生涯で関わる案件数をできる限り少なく抑え、一つ一つのプロジェクトに最大限の時間と思考を注ぎたいという思いから、スタッフを雇わず一人で設計を続けてきました。一方で、この数年で状況や心境に変化が生まれ、今回募集を行うことにしました。

理由はいくつかありますが、今年に入ってから、ありがたいことに飛び込みでの求人の問い合わせが続いたこと。また、今後も設計のクオリティを高めるために、自分一人で抱え込むのではなく、体力や健康面も含めた現実的な限界と向き合いながら、持続可能なかたちを模索する必要があると、少しずつ感じるようになったこと。
そして何より、自分の設計の礎となっている、故・小川広次さんのもとで修行時代に学んだことや、尊敬する建築家の諸先輩方から折に触れて教えていただいた姿勢や考え方を、未消化な部分も含めて次の世代へ手渡していく必要性を、年々意識するようになったことも大きな理由です。業務拡大に伴う募集ではないため、無理な採用はせず、価値観や姿勢が合う方に出会えたら、というスタンスで考えています。

私が修行していた十五年ほど前と比べると、時代の流れや人材不足という背景の中、アトリエ系設計事務所の働き方や待遇は少しづつではありますが改善方向にあり、経営とのバランスを取りながら設計に取り組む事務所も増えてきたように感じます。
一方で、突出した建築を生み出している事務所の多くは、今もなお、人並外れた熱量を注ぎ、ぎりぎりまで粘りながら設計に取り組んでいるという現実も同時に理解しています。今後も設計と経営の間に生じる矛盾と向き合いつつ、設計に注ぐ時間と思考の密度をいっそう高めていきたいと考えています。

決して万人におすすめできるような楽な道ではありませんが、それでも人生をかけて建築に取り組みたい、設計に全力で向き合いたい、という強い思いを持ち、試行錯誤を重ねて空間をつくる喜びを感じたい方には、確かな手応えが得られる素晴らしい仕事だと強く実感しています。また微力ながら、私がこれまで学んだことや培ってきた経験は、惜しみなくお伝えしたいと考えています。
詳細は、事務所のウェブサイトおよびTECTUREに記載しています。ご興味のある方は是非ご覧ください。

2025.11.14

このたび雑誌『 I’m home』 に「稲城の家」が掲載されました。
また、嬉しいことに表紙の写真にもご採用いただきました。

今回は「照明特集」とのことですが、私自身が設計の過程で行ったのは、クライアントの要望でもあった、住みながら自由に照明の模様替えを楽しめるような“仕組み”と“余白”を設けることくらいでした。そのため、今回の掲載はクライアントの照明の設えによるものだと感じています。

「多少暗い場所には照明を置き、そのセレクトも楽しむ」
そんな自由でおおらかな照明との付き合い方の一例として、ご覧いただければ幸いです。

2025.11.08

四ツ谷の戸建住宅のリノベーションが無事お引き渡しとなりました。
このプロジェクトは、ありがたいことに建築家の芦沢啓治さんからクライアントをご紹介いただいたことがきっかけで始まりました。
約十年前に芦沢さんがリノベーションを手がけ、現在もクライアントが暮らす母屋に隣接する住宅を、離れとして改修するという計画です。
完成後は母屋と離れを行き来しながら生活することになるため、空間としてひとつの家であると感じられるよう、母屋の素材やディテールを積極的に参照・応用しながら設計を進めてきました。
その過程は、十年前の芦沢さん(当時の年齢はちょうど今の自分と同年代)のデザインと対話を重ねながら、返歌を書くように設計していく時間でもありました。
自分の設計でありながら、同時に十年前の芦沢さんと一緒に設計しているような、とても不思議で刺激的な体験でした。
施工は、母屋の工事も手がけられた幹建設さんにお願いし、難易度の高い内容でありながら、素晴らしい仕事をしてくださいました。
お引き渡しの際、クライアントの満足そうな表情を拝見し、この特殊な設計アプローチに意味があったのだと実感しました。

造園工事はこれから着工予定で、完成はもう少し先になりそうですが、大変学びの多い現場となりました。
改めて、芦沢さん、そして当時の担当者である山口さんには、母屋の図面提供など多大なご協力をいただき、心より感謝申し上げます。

2025.10.12

上目黒の家の入居後の竣工写真が仕上がり、ウェブサイトを一部更新しました。撮影は西川公朗さんです。

竣工後に驚いたのは、いつ訪れても本当にきれいに暮らされていることです。写真撮影の際、一切物を動かす必要がありませんでした。

設計中は、クライアントの持っている調度品をヒントに素材やディテールを検討したり、置くべき家具や照明なども細かく打ち合わせをしていたので、それらが入り建築と調和している様子を見ることができ、ほっとしました。

ちなみに、出来上がった竣工写真を自分の子どもに見せたところ、
「お施主さんにはきれいな家を設計できるのに、なんでうちは古くて狭くて散らかってるの??」
という予期せぬ質問にぐうの音も出ませんでした。。

2025.08.01

八月八日に発売される「部位別・住宅納まり図集」(グラフィック社)の見本が届きました。
私は4つの住宅の納まり図と、コラム「納まり図から学ぶこと」を掲載していただきました。
執筆している十二組の建築家の、基本から応用までの幅広い納まり、様々なスケールの図面、そして納まり論を読みながら、「納まり」とは?と改めて考える良い機会になりました。
ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

2025.04.21

「新建築住宅特集」に『上目黒の家』が掲載されました。
学生の頃から読んでいる雑誌なので嬉しいです。
(修行先を探す時も過去十年分のバックナンバーを見返したことを思い出しました)
書店でお見かけの際はぜひお手に取っていただけると幸いです。

そして気づけば独立して十年が経ちました。とはいえ建築家の職業寿命は長く、まだたったの十年、という表現が正しそうです。
設計事務所は多かれ少なかれそういうものかもしれませんが、生活も決して楽ではない中で今後三十年、四十年と同じ熱量を保って(あるいはさらに熱量を上げて)走り続けられるだろうかとふと考えることも増えました。そんな中、諦めずに続けてこられたのも、クライアントや構造設計者、施工者、編集者をはじめとする様々な方のサポート、そして諸先輩方や同世代の建築家の高い志や熱のこもった仕事に触れ、励まされてきたからだと思います。心より感謝申し上げます。
次の十年は、住宅の設計は継続しつつ、施設や店舗など、もう少し公共性の高い建築の設計や、家具・照明やプロダクトなどの分野にも、機会を見つけて挑戦していきたいと思っています。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

2025.04.17

事務所のウェブサイトのリニューアルを行いました。
デザインは矢嶋大祐さん( https://yajimadaisuke.com/ )、WEB構築はtebito ( https://tebi.to/ )の皆さんです。プロフィール写真は白石和宏さん( https://shiraishikazuhiro.com/ )に撮影していただきました。
三者三様の素晴らしい仕事をしていただきました。

そしてこのタイミングで先日竣工した上目黒の家の竣工写真もアップしました。撮影は西川公朗さんです。
ウェブの作品説明のテキストなど宿題も残っていますが、気長に書いていきたいと思います。
ぜひご覧ください。

2025.03.13

森田アルミ工業 (たまたま同じ「森田」ですが、血縁関係はありません。。)の建材パーツブランド「Noizless」のウェブ内の「パーツ探訪」という連載にて『国分寺の家』を取り上げていただきました。
愛用するパーツや建材を紹介するという内容で、設計に対する考え方についても、インタビューをしていただきました。
とは言え、実は定番的なパーツや建材をあまり持ち合わせておらず、、その背景も含めてご紹介いただいています。

設計への取り組み方は、まだまだ途上、かつ事務所経営的には課題も多く、常に試行錯誤しながら、、という状況ですが、ぜひご覧いただけると幸いです。

前編
https://noizless.jp/blogs/know-our-building-materials/20250306

後編
https://noizless.jp/blogs/know-our-building-materials/20250313

2025.03.08

雑誌「LEE」に『稲城の家』を取り上げていただきました。
建築に流れるおおらかな空気感、そしてクライアントのセンスが伝わってくる様な写真が印象的です。
書店でお見かけの際は、ぜひご覧ください。

2025.03.02

上目黒の家、お引き渡しでした。
第一線で活躍されているアートディレクターであるクライアントの美意識、そして家づくりへの熱量は並々ならぬものがあり、こちらが学ぶことの多いプロジェクトでした。
建築、家具、デザイン、ライフスタイル、、様々な話をしながらの打ち合わせは毎回10時間に及ぶことも珍しくなく、今回の建築がどうあるべきか、監理中も何度も繰り返し議論したことが懐かしいです。
設計開始から竣工まで一年強と非常にタイトだったこともあり、設計・監理中は恥ずかしながら事務所への長期泊まり込みが続き、独立以降、最もタフなプロジェクト、同時にフルスイングを求められることへのやりがいも強く感じた仕事でした。

いつものことながら、お引き渡しはとても寂しい。
これから新たな生活が始まり、クライアントの家族やこの家を訪れる友人など、この住宅を取り巻く人々の生活を人知れず支えてくれることを願います。

最後に、施工会社の水雅の皆さんには大変な内容にも関わらず本当に素晴らしい仕事をしていただきました。
そして、ここには書ききれない本当に多くの方々にご協力をいただきました。深く感謝申し上げます。

2025.02.12

上目黒で設計監理を進めてきた新築住宅がまもなく竣工します。

隣接する緑道に対する眺望とプライバシーの両立、変形敷地、高低差のある敷地への応答や浸水対策など、 様々な条件に向き合った結果、この場所ならではの住宅になりました。

見学をご希望の方がいらっしゃいましたら 二月十五日、十六日はご案内可能ですので、お気軽にご連絡ください。

※見学枠が限られており、恐れ入りますが同業の方は面識のある方に限定させていただきます
※混雑を避けるため、時間帯は適宜調整をさせてください